セブンスコードとは

ピアノ

**セブンスコード(seventh chord)**は、三和音(トライアド)にさらに1音を加えた四和音の一種です。この追加された音が「第7音」になり、これにより和音の響きがより複雑で豊かになります。セブンスコードにはいくつかの種類があり、それぞれ異なる音の並びと響きを持ちます。

セブンスコードの基本形

以下に、主要なセブンスコードの種類とその構成音を示します。

  1. ドミナントセブンス(Dominant Seventh, 7)
    • 構成音:根音(Root)、長三度(Major Third)、完全五度(Perfect Fifth)、短七度(Minor Seventh)
    • 例:C7
      • 音:C – E – G – Bb
  2. メジャーセブンス(Major Seventh, Maj7)
    • 構成音:根音、長三度、完全五度、長七度(Major Seventh)
    • 例:Cmaj7
      • 音:C – E – G – B
  3. マイナーセブンス(Minor Seventh, m7)
    • 構成音:根音、短三度(Minor Third)、完全五度、短七度
    • 例:Cm7
      • 音:C – Eb – G – Bb
  4. ハーフディミニッシュセブンス(Half-Diminished Seventh, m7♭5)
    • 構成音:根音、短三度、減五度(Diminished Fifth)、短七度
    • 例:Cm7♭5
      • 音:C – Eb – Gb – Bb
  5. ディミニッシュセブンス(Diminished Seventh, dim7)
    • 構成音:根音、短三度、減五度、減七度(Diminished Seventh)
    • 例:Cdim7
      • 音:C – Eb – Gb – Bbb(A)
  6. マイナーメジャーセブンス(Minor Major Seventh, mMaj7)
    • 構成音:根音、短三度、完全五度、長七度
    • 例:CmMaj7
      • 音:C – Eb – G – B

セブンスコードの使用例

ドミナントセブンス

  • 機能: 主に解決を求める和音として使用されます。特に、V7→Iの進行で、トニックに解決する役割があります。
  • : G7 → C(G7: G – B – D – F, C: C – E – G)

メジャーセブンス

  • 機能: 穏やかでリラックスした響きを持ち、ジャズやボサノヴァなどでよく使用されます。
  • : Cmaj7(C – E – G – B)

マイナーセブンス

  • 機能: より柔らかでメランコリックな響きを持ち、ポップスやR&B、ジャズなどで使用されます。
  • : Am7(A – C – E – G)

ハーフディミニッシュセブンス

  • 機能: 不安定で緊張感のある響きを持ち、特にiiø7-V7-Iの進行で使用されます。
  • : Bm7♭5(B – D – F – A)

ディミニッシュセブンス

  • 機能: 極めて不安定で緊張感が強い和音。解決を強く求めるため、転調や緊張を生み出す際に使用されます。
  • : Cdim7(C – Eb – Gb – Bbb)

セブンスコードの転回

セブンスコードもトライアドと同様に転回することができます。転回により、和音の構成音の順序を変え、異なる響きを持たせることができます。

  1. 原位(Root Position): ルートが一番下にくる形
  2. 第1転回形(First Inversion): 第3音が一番下にくる形
  3. 第2転回形(Second Inversion): 第5音が一番下にくる形
  4. 第3転回形(Third Inversion): 第7音が一番下にくる形

まとめ

セブンスコードは、和音に第7音を加えることで豊かで複雑な響きを持つ四和音です。ドミナントセブンス、メジャーセブンス、マイナーセブンスなど、さまざまな種類のセブンスコードがあり、それぞれ特有の機能と響きを持ちます。セブンスコードの理解と活用は、音楽表現を豊かにし、幅広いジャンルで重要な役割を果たします。

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